真夏の車内は高温になるため、夏のドライブにエアコンは欠かせません。それだけに、夏にはエアコンがきちんと作動するようこまめなメンテナンスが必要不可欠となります。
ここでは、夏本番に備えて覚えておきたいカーエアコンの仕組みやメンテナンス箇所についてご紹介します。
カーエアコンの仕組み
メンテナンスをする前に、まずはカーエアコンの仕組みについて理解しておくことが大切です。
カーエアコンでは、ガス燃料が気化する際に周囲の熱を奪う性質を利用して冷気を発生させています。一見難しそうな原理ですが、注射をするときに腕をアルコールで拭かれると肌がスーッとするのと原理は同じです。カーエアコンでは、液体を蒸発させる装置であるエバポレーターがガス燃料を気化させることで周囲の熱を奪います。そうすることで、一時的に周囲の温度を低下させます。低下した周囲の冷気は、ファンによって室内に送られます。なお、ガスを気化させ一時的に周囲の温度を低下させるだけでは、常に冷たい風を送り続けることはできません。そのため、気化させたガスを再び利用する必要があります。そこで、気化したガスを圧縮させるコンプレッサーが必要となります。
エバポレーターとコンプレッサーによる循環を繰り返すことで、カーエアコンは常に冷気を送り続けることができるのです。
メンテナンスすべき箇所
メンテナンスすべき箇所は、以下のとおりです。
・室内フィルター
車種によっては、送風ファンとエアコンユニットの間にフィルターが付いているものがあります。このフィルターは、外から入ってくる排気ガスやホコリ、花粉などを除去する役割を果たします。このフィルターにより、車内の空気をきれいに保つことができます。
フィルターの目は細かくなっているため、ゴミやホコリなどが詰まりやすくなっています。そのため、エアコンを使う時期を迎えたらフィルターに汚れが詰まっていないかチェックすることが大切です。
・エバポレーター
エアコンをつけたときに嫌な臭いがする……というときは、エバポレーターにカビが発生している可能性が考えられます。臭いを根源から排除する場合には、カーエアコン用の洗剤を使って直接エバポレーターを掃除すると効果的です。掃除の際にはトラブルを防ぐためにも、カーエアコン用の洗剤の使用をおすすめします。
・ガス
カーエアコンを作動させるためには、ガスが必要不可欠です。ガソリンスタンドなどでガスの補充を勧められることがありますが、故障や不備がない限りは5~10年ほどは補充する必要はありません。もしも、頻繁にガスを補充しなければならない状態であれば、どこからかガスが漏れてしまっている可能性が考えられるため、点検・修理に出すことも大切です。
・ベルト
カーエアコンのコンプレッサーは、エンジンの動力がベルトを通じて伝えられることで稼働しています。エンジンの馬力は非常に大きいため、ベルトには大きな負荷がかかります。そのため、カーエアコンを利用する前にはベルトにひび割れや伸びがないかをチェックすることが大切です。
なお、近年の車はエアコンのオルタネーターなどの補機類を一本のベルトで駆動させているものも少なくないため、ベルトの故障によってバッテリーやステアリングに影響がおよぶこともあるため注意が必要です。
少しでも異変を感じたら……
検査・確認をしたにも関わらず、エアコンが冷えない、使用すると変な音がするという場合は、専門店で検査しもらうことをおすすめします。初期トラブルであれば大掛かりな修理をすることなく簡単に修理することができるので、早めのチェックが大切です。
真夏にも快適なドライブを楽しめるように、夏本番を迎える前にメンテナンスをしておきましょう。
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