ガラス系コーティングの基礎知識

車を購入した際に施工することが一般的となってきたガラス系コーティングは、カーワックスと異なり、施工技術に優れたプロに依頼し、きっちりと下地作りからコーティングの塗布までの一連の作業を行ってもらうプロ施工コーティングの最高峰といわれています。ガラス系コーティングが作り出す被膜は、ガラスと類似した分子構造となっており、反応硬化型の硬い被膜を形成するため、コーティング効果が長持ちし、高い防汚性能を保持しながら、光沢やツヤ効果を発揮します。
ここでは、自分でできるカーワックスやコーティング剤との違いや、プロ施工コーティングの種類、水ハジキの性質や施工することでのメリットなど、ガラス系コーティングにまつわる様々な情報をご紹介します。

ワックス、コーティングとプロ施工コーティングとの違い

“プロ施工のコーティングって、そもそもカーワックスとどう違うの?”と思っておられる方もいるかもしれません。以下にてワックス、コーティング剤、プロ施工コーティングの特長についてご説明します。

  • ワックス

    ワックス

    主成分は、油とロウ。塗装面にツヤを出し、汚れやキズから守ることが目的です。ワックスの最大の魅力は、塗装後の深く美しいツヤ。仕上がりの美しさから、長年にわたってドライバーたちに愛されてきた製品です。ワックスの効果は、塗ってから1ヶ月程度持続します。また自分で好きな時にでき、価格も安く済ませることができるのもメリットです。

  • コーティング剤

    コーティング剤

    コーティング剤の特長は、一般的に優れた防汚性能と独特のシャープな光沢にあります。強固な被膜で、汚れやキズをブロックする役割を果たします。また、耐久性が高く、効果が長続きするという点も特長のひとつです。ワックス同様、こちらもセルフで施工でき、作業も比較的簡単に済ますことが可能です。

  • プロ施工コーティング

    プロ施工コーティング

    自分でワックスやコーティング剤を施工する以上のパフォーマンスを発揮するのは、コーティングショップなどでプロに施工してもらうコーティングです。プロ施工コーティングの被膜は自分で施工するワックスやコーティング剤とは比べ物にならないほど強固で、また、しっかりとメンテナンスすることで美しい光沢や防汚性能が長期間続きますので、ワックスやコーティング剤を定期的に施工する手間や時間が軽減します。プロ施工コーティングはポリマー系やガラス系コーティングなどに分類されます。値段や種類によって程度は異なりますが、プロ施工コーティングは、汚れや劣化からボディを守る上でも最も有効な施策といえるでしょう。

セルフで行えるワックスやコーティング剤とプロ施工コーティングには、それぞれメリットがあります。コスト感や普段の愛車にかけられるメンテナンス時間を総合的に考えて、目的や特長に合ったものを選ぶことが大切です。

プロ施工コーティングの種類

プロ施工コーティングは「ポリマー系コーティング」と「ガラス系コーティング」に大別されます。以下では、ポリマー系コーティング、ガラス系コーティングの特長について説明します。

  • ポリマー系コーティング

    ポリマー系コーティング

    ポリマー系コーティングは主成分のロウによって、艶と光沢を出します。被膜が反応性ではないため、光沢、ツヤ性能や耐久性能はガラス系コーティングに比べ劣ります。プロに依頼しても比較的施工料金がお手頃であることはメリットの一つと言えます。

  • ガラス系コーティング

    ガラス系コーティング

    ガラス系コーティングは、反応硬化型の硬い被膜を形成するため、優れた艶・光沢を再現します。また、耐候性、耐熱性などにも優れており、酸化や劣化しにくいため長寿命で、高い撥水性(親水・疎水性)を発揮します。プロ施工の最高峰であるが故に、ポリマー系コーティングに比べると高価になるケースがほとんどです。

これらは、一般的なガラス系コーティングとポリマー系コーティングにいえることであるため、製品により特長が異なる場合があります。防汚効果や美しさ、コーティング被膜の耐久性を考えるのであれば、一般的にはガラス系コーティングが適していますが、費用面を考えるとポリマー系コーティングに優位性があります。
それゆえ、プロ施工コーティングを行う際にはそれぞれの特長をしっかり理解した上で選ぶことが大切です。

ガラス系コーティングの水ハジキの種類

プロ施工コーティングの最高峰といわれ、愛車のボディにツヤと輝きを生み出し、長期間にわたってその状態を維持するガラス系コーティング。とはいえ、ガラス系コーティングと一口にいっても、その種類はひとつだけではありません。被膜の硬さや耐久性などによっても種類が異なりますが、大きくは水ハジキ性能、つまり降りかかった雨や洗車時の水ハジキが、“撥水なのか”“親水なのか” “疎水なのか”によって大きく3種類に大別することができます。以下では撥水、疎水、親水について、それぞれの特長を説明します。

  • 撥水

    撥水

    撥水性ガラス系コーティングとは、水をはじく性質を持つコーティングのことを言います。高い水ハジキ効果があり、汚れを一緒に流し落とすタイプです。撥水性ガラス系コーティングを施工した車のボディに雨や水がかかると、水滴は水玉のような形状になってボディを滑り落ちていくため、しっかり雨をはじくとともに、酸性雨や水アカからボディを守ることができます。汚れが残ったとしても、基本的に水洗いすることですぐに汚れを取ることが可能です。

  • 疎水

    疎水

    疎水性ガラス系コーティングとは、水が自然とボディから流れていきやすい被膜をつくるコーティングのことを言います。高い排水性能を付与することで、塗装面をしっかり保護します。疎水性のガラス系コーティングを施工すると、ボディについた水は平らな塊となって流れ落ちていきます。水滴がボディに残留しないため、ウォータースポットや水アカ、汚れを予防できるのはもちろん、洗車後の水の拭き取りの手間も軽減してくれます。

  • 親水

    親水

    親水性ガラス系コーティングとは、ボディ表面に水と馴染みやすい被膜を形成するコーティングのことを言います。親水性のガラス系コーティングを施工した車のボディに水や雨がかかると、全く水を弾かず、水の膜を張ったような状態になります。そのため、水滴が乾燥する段階で発生するウォータースポットの防止に効果を発揮します。ただし、美観的な効果が少なく、汚れが比較的均一に付いてしまうため、その付着がわかりにくいことがあります。

いずれのガラス系コーティングも、車のボディに美しいツヤと光沢を与え、日頃のケアの負担を軽減してくれるもの。“親水”“撥水”“疎水”、自分の好みの水ハジキに合わせたものを選択するのがいいでしょう。

ガラス系コーティングのメリット/デメリット

施工することで車にツヤと輝きを与え、汚れにくくなり普段のカーケアの負担も少なくなるガラス系コーティングですが、ここで改めてガラス系コーティングのメリットとデメリットを説明します。

ガラス系コーティングのメリット/デメリット

メリット

●ボディを美しく見せる
ガラス系コーティングによって形成される被膜は、ボディにツヤや光沢を与え、車を美しく見せます。非常に硬いコーティング被膜は、洗車キズやスクラッチキズなどの小さなキズがつくことも軽減します。小キズが付くことで古くなった印象を受けやすい車を、いつまでも美しい状態に維持できるのも、ガラス系コーティングの魅力のひとつです。
●ボディを汚れにくくする
ボディに非常に硬い被膜を形成するガラス系コーティングは、ボディ表面に汚れをつきにくくします。また、たとえボディ表面に汚れが乗ったとしても強固に固着することは少ないため、洗車などで落としやすくなります。親水や疎水の水ハジキ性能を付与している場合は、降り注ぐ雨と一緒にボディ表面に乗った汚れが落ちていきやすくもなります。
●洗車の負担を軽減する
ガラス系コーティングを施工することで、ボディの表面に汚れがつきにくくなるため、結果として、洗車の回数を減らすことにつながります。また、固着せず落としやすいため、普段の洗車なら水洗いだけでも簡単に洗い流すことができます。ガラス系コーティングには、洗車の頻度や手間を軽減できる効果があります。
●外的要因からボディを守る
車のボディが劣化する原因のひとつとして、外的要因があげられます。車のボディは常に外気にさらされており、雨や日差しからの刺激を受けています。また、ホコリや鳥のフンによるキズや汚れの他、温度変化もボディの劣化につながります。このような外的要因からボディを守るのが、ガラス系コーティングです。ボディの表面を非常に硬いコーティング被膜で覆うことでボディ塗装面を守り、劣化を防ぎます。
ボディに付着した汚れを放っておくと、汚れの種類によっては、塗装剥がれや変色の原因になります。ガラス系コーティングを施工すると、汚れは表面のコーティング被膜に付着します。汚れがボディに直接付着することがなくなるため、塗装剥がれや変色が防げます。

デメリット

●施工が高価
唯一のデメリットと思われるのは、やはり施工価格が高くなってしまうところ。ガラス系コーティングの施工は、単にコーティングを塗布するだけではなく、プロによる磨きを中心とした入念な下地処理がなされるため、どうしても施工に手間と時間がかかってしまい、高価となってしまう傾向にあります。

このようにガラス系コーティングを施工することで、いくつものメリットを享受することができます。唯一のデメリットとして、施工価格の部分はありますが、ガラス系コーティングを施工することで、普段の洗車が軽減されたり、いつまでも美しい状態が続いたりするメリットを考えると、施工価格以上の価値が提供されるといっても過言ではありません。

ガラス系コーティングのメンテナンス方法

ガラス系コーティングのメンテナンス方法

愛車をキズや汚れから守り、ツヤのある美しい状態を長期間維持するガラス系コーティング。ただし、ガラス系コーティングは、最初に施工するだけであとは一切メンテナンスをしなくてもいいというものではありません。施工後も正しくメンテナンスすることで耐久性を長期間にわたって維持することができます。ここでは、施工後の正しいメンテナンス方法をご紹介します。

  • 車の保管について

    車の保管について

    日光や雨風は、コーティング被膜に直接的なダメージを与え続けますので、被膜が硬いといってもその効果は徐々に軽減されてきます。駐車時の日光や雨風によるダメージを防ぐために、駐車場はできるだけ屋根のあるところを選ぶことがいいでしょう。

  • 普段は水洗いだけでOK

    普段は水洗いだけでOK

    汚れにくいガラス系コーティングですが、完全に汚れないわけではありません。ガラス系コーティング施工後にも、メンテナンスは必要です。とはいえ、普段のメンテナンスは定期的に水洗いによる洗車でじゅうぶんです。汚れが目立ってきたなというタイミングで、ボディにしっかり水をかけ、ホコリなど大きな汚れはシャワーで取り除き、十分に水をかけながら、洗車スポンジを用いて軽くボディをなでて汚れを落としてください。また、洗車後に水滴を残したままにしておくとウォータースポットができる原因になってしまうため、洗車後はすぐに水滴を拭き取ることが鉄則です。炎天下での洗車にも注意が必要です。炎天下での洗車は水に含まれるカルキなどの成分がすぐに固まってシミになってしまう可能性があるため、直射日光が厳しい時間帯などは避けるようにしましょう。

  • 汚れがこびりついたら

    汚れがこびりついたら

    鳥のフンや虫の死骸、黄砂や花粉など車のボディに付着する汚れには、水系の汚れだけではなく油分を含むしつこい汚れがあります。水洗いだけで汚れが落ちない場合は、ガラス系コーティング専用のカーシャンプーやクリーナーを使って除去するようにしましょう。ガラス系コーティング専用アイテムは、コーティング被膜にダメージを与えず汚れだけを落とす効果があります。一般的なカーシャンプーやクリーナーを使用すると、被膜にダメージを与えてしまう恐れがありますので、注意が必要です。

このようにガラス系コーティングの施工後に、普段のメンテナンスを的確に行うことにより、その性能を最大限に、長期にわたって発揮することができます。特別な作業を伴うものではありませんので、ぜひ実践してください。

プロによる定期メンテナンスを

プロによる定期メンテナンスを

ガラス系コーティングを施工した後も、洗車など日々のメンテナンスでその効果を持続させることが可能です。とはいえ、車の保管環境や利用状況などの要因で、時間の経過とともにガラス系コーティングの性能は徐々に落ちてくる場合もあります。そのような状況になったガラス系コーティングの性能を再び十分発揮させるために有効なのは、プロによる定期メンテナンスです。一般的にコーティングショップでは、ガラス系コーティングの種類にもよりますが、1年ごとの定期メンテナンスを促進しているケースがほとんどで、定期的なプロによるコーティングコンディションの診断と状況に応じたメンテナンスを行うことで、ガラス系コーティングの効果をより持続させることが可能となります。

また、一般的にプロ施工のガラス系コーティングは、施工完了時に施工証明書が発行されますが、1年に1回のプロによる定期メンテナンスを受けなければ証明書が失効してしまう恐れがありますので、そういった意味でも、プロによる定期メンテナンスを受けることが望ましいと言えます。

大切な車を美しく維持するためにはガラス系コーディングが最も適した愛車ケアである事がおわかり頂けたかと思います。コーディングにも多くの種類があるので、効果やコスパなどを考えたときに、継続可能な選択が重要になってきます。また、ガラス系コーティングをしたからといって放置していてよいわけでもありません。必要なメンテナンスをきちんと行うことが大切です。定期的な洗車、車の保管場所への気配りなど、ガラス系コーディングの効果をより持続させるために、出来る限りの努力を怠らないように愛車ケアをしていきましょう。

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