タイヤの溝の状態が車検に関係する理由とは?摩耗の種類なども解説

車検を受ける際に、タイヤの溝の状態も把握しておかなければなりません。しかし、溝がどの程度減っているのか、どの程度なら車検に通るのかわからない方も多いでしょう。今回は、タイヤの溝の状態が車検に関係する理由、摩耗の種類、状態を維持するための対策をみていきます。

タイヤの溝の状態が車検に関係する理由

タイヤの溝は走行時の安全性に影響を与えるため、保安基準を満たす必要があります。ここでは、その内容を細かくみていきましょう。

①タイヤの溝は安全性に影響を与える
摩耗・劣化したタイヤでは安全性を確保できません。新品のタイヤには溝が十分にあるものの、使用する度にすり減っていきます。仮に、溝がなくなってしまった場合、ハンドリングやブレーキが機能しなくなり、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなる点は知っておきましょう。

②保安基準に満たないと道路交通法違反となる
タイヤの溝には保安基準が設けられているため、基準に満たなければ公道を走行できません。基準を満たしていないタイヤで公道を走行した場合、道路交通法違反となるため、走行前にタイヤの溝を確認しておくことが大切です。

③車検での合格ライン
車検での合格ラインは、1.6mm以上です。この基準を下回るとスリップサイン(道路運送車両法で定められている目印)が出てくるため、車検に合格できません。冬・夏どちらのタイヤでも基準は変わらない点も知っておくとよいでしょう。

タイヤの摩耗の種類

タイヤの摩耗の種類

タイヤの摩耗の種類は、ショルダー・センター・片側摩耗の3つです。それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

①ショルダー摩耗
タイヤの両側のショルダー部分が摩耗していく現象です。タイヤの空気圧が不足している状態で走行した場合、両側のショルダー部分が早くすり減ることで発生します。定期的に空気圧を点検し、空気の充填を行い防止しましょう。

②センター摩耗
センター部分が早く摩耗していく現象です。タイヤの空気圧が高い状態で走行した場合に発生します。空気圧を調整することで防止可能です。

③片側摩耗
ショルダー部分の片側だけが早く摩耗していく状態です。ホイールアライメント(車体に対してのホイールの角度)のずれが原因です。ホイールアライメントがタイヤの内側や外側に傾いていると、片側のショルダーが早く摩耗していきます。

車両のアライメント調整を実施し、ホイールの取り付け方のずれを直しましょう。

タイヤの状態を維持するための対策

タイヤの状態を維持するための対策

タイヤの状態を維持するためには、負担を避ける、空気圧を適切に保つ、ホイールアライメントの確認などの対策があります。それぞれの内容を詳細にみていきましょう。

①タイヤに負担を掛ける運転を避ける
急発進、急ブレーキといった操作はタイヤに負担が掛かります。事故のリスクも上がり、燃料を多く消費するため、リスクの高い運転方法は避けましょう。

②空気圧を適切に保つ
空気圧が適切でない場合、タイヤの接地面が少なくなる、地面につきすぎるといったデメリットが発生します。空気圧はガソリンスタンドなどで簡単に確認できるため、定期的な確認を心掛けることが大切です。
また、タイヤの空気圧や温度をモニタリングするTPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)といわれるシステムをタイヤに取り付けることも、空気圧の異常を察知する有効な手段ですので取り付けを検討しましょう。

③ホイールアライメントの確認
車を走行していると、ホイールアライメントがずれることがあります。ずれている状態のままだとタイヤの損傷につながるため、アライメントの定期的な確認を行いましょう。