冬が近づく前にチェックしたいのがカーエアコンです。特にヒーターは、冬のドライブを快適に楽しむために必要不可欠。ドライブ中に故障に気づき、辛い思いをしないためにも事前にカーヒーターをチェックしましょう。今回は、カーヒーターが故障する原因と対処方法についてご紹介します。
ラジエーター液の熱を利用する!カーヒーターの仕組みとは?
カーヒーターの熱源は、エンジンを冷却する過程で100℃近くまで上昇するラジエーター液です。ラジエーター液を元に、2つの装置を使って温風を作り出します。
ラジエーター液の熱を温風に変える1つ目の装置が、ヒーターコアです。ヒーターコア内にラジエーター液を循環させ、車内に送り出す暖かい空気を作ります。温風が高温になりすぎないように中に入る液体の量を減らし、温度を調整するのもヒーターコアの役割です。
2つ目の装置はブロアモーターです。ブロアモーターは、風を生み出す扇風機のような役割を持っており、ヒーターコア内の暖まった空気を車内に送り出します。
ラジエーター液を熱源に、ヒーターコアとブロアモーターという2つの装置で車内に温風を送り出すのが、カーヒーターの基本的な仕組みです。
カーヒーターが効かなくなる原因は?
カーヒーターが効かなくなる原因で特に多いのが、サーモスタットの故障。サーモスタットとは、ラジエーター液の通路を開閉するバルブ装置です。
サーモスタットが故障すると、エンジンが常にラジエーター液で冷やされた状態になり、温風を出せるまでラジエーター液の温度が上昇しません。ヒーターが効かないとき、車のメーターの水温計を確認して、ラジエーター液の温度が下がっていないか確認しましょう。
その他の原因としては、車に搭載されている室温・水温・外気温などの温度センサーの不調、冷却水不足など、いくつかの原因が挙げられます。また、ヒーターを付けると異音がする・車内のくもりがとれにくいという場合、いずれかのパーツが故障している可能性があります。
ヒーターはさまざまなパーツで構成されているため、故障するとなかなか原因を特定できません。不調を感じたら自分で修理しようとせず、プロに相談した方がよいでしょう。
ヒーターの故障を防ぐ3つのメンテナンス
以下の3つのメンテナンスを実践することで、ヒーターの故障を予防できます。
・定期的にカーエアコンを稼働する
エアコンの動作は、ヒーターにも関わってきます。エアコンを長時間動かさないまま放置しておくと、可動部の潤滑剤が固着して、うまく作動しなくなります。1カ月に1回10分稼働するだけでもエアコンの寿命は延びるといわれているため、温度が気にならない季節でも少なくとも月に1回はエアコンを動かすように心がけましょう。
・ラジエーター液を点検する
ヒーターの熱源はエンジンによって暖められたラジエーター液です。そのため、ラジエーター液が足りないと十分にヒーターが効きません。ラジエーター液の不足はエンジンのオーバーヒートにもつながるため、ドライブ前に量をチェックしましょう。
・サーモスタットをチェックする
サーモスタットの故障は、ヒーターの不調に直結します。そう簡単に不具合がでるパーツではありませんが、使用年数が増えるほど故障の可能性が高まります。ヒーターを使いはじめるタイミングでプロにサーモスタットの状態を確認してもらい、不具合がある場合は交換を依頼しましょう。
冬にしか使わないヒーターですが、定期的なメンテナンスで故障を予防したり、劣化を防いだりできます。
万が一、ヒーターの故障が見つかった際は、個人での対処が難しい可能性があるため、プロに修理を依頼しましょう。
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