何が違う?内気循環と外気導入の正しい使用方法

車内の空調を整える際に使用する空調パネル。「内気循環」と「外気導入」というふたつのスイッチが備えられており、それぞれで役割が異なります。快適な車内環境を整えるには、役割や使用するタイミング、特長を把握しておくことが大切です。

内気循環とは?使用のタイミングとメリット

内気循環は、車内の空気を循環させる方法を指します。車の前方に取りつけられている外気の取り入れ口を閉め、ほとんどの外気をシャットアウトします。車には外気の取り入れ口以外にも隙間があるので、内気循環のスイッチをオンにしても外気を完全にシャットアウトすることはできません。なお、内気循環を利用する主なタイミングは、冷暖房を使用するときです。

内気循環を利用するメリットは以下の通りです。

・冷暖房が効きやすくなる
自宅でエアコンを使用する場合と同様、外気をシャットアウトすることで車内の冷暖房の利きがよくなります。特に冷房は車の燃費に大きな影響を与えます。外気導入のスイッチをオンにしたまま冷房を使用すると、外気の影響により車内の温度が下がりにくくなり、その分だけ多くの燃費を消費してしまうので注意が必要です。

・排気ガスや花粉の侵入をカットできる
内気循環のスイッチをオンにすると大半の外気がシャットアウトされるので、排気ガスの煙や臭い、花粉などが車内へ侵入するのを防ぐことができます。排気ガスが充満しやすいトンネル内や、花粉の多い場所を走行する際は、内気循環に切り替えておくことをおすすめします。

外気導入とは?使用のタイミングとメリット

外気導入は、車内と車外の空気を循環させる方法を指します。外気の取り入れ口を開き、常に外気を取り入れている状態にします。外気導入を利用する主なタイミングは、フロントガラスのくもりを素早く除去できる“デフロスター”を使用する際です。

外気導入を利用するメリットは以下の通りです。

・車内を換気できる
車内を閉めきっていると空気が淀みやすくなります。外気導入のスイッチをオンにすることで、新鮮な空気を効率よく車内に取り入れることができます。

・ガラスのくもりを防げる
外気を取り入れることで車内と車外の温度差が小さくなり、ガラスのくもりや結露を防ぐことができます。ただし、乗車人数が多いと換気が追いつかずガラスがくもってしまうことがあります。その場合は、外気導入を利用した上でデフロスターを使うのがおすすめです。

自動車メーカーが推奨しているのは“外気導入”

車は常に、内気循環と外気導入のどちらかを選択しておく必要があります。中には、どちらのスイッチをオンにしておくのが適切なのかとお悩みの方もいるかもしれません。その場合は、自動車メーカーが推奨している方法に合わせることをおすすめします。

多くの自動車メーカーで推奨されているのは、外気導入です。これは、外気導入を利用することで車内の酸素濃度の低下を効率よく防げるためです。十分な換気ができていないと車内の酸素濃度が低下し、眠気をもよおしてしまう可能性があります。また、空気の淀みにより具合が悪くなってしまうことも。眠気や体調不良により運転が乱れてしまわないためにも、外気導入が推奨されているのです。

空調パネルにスイッチがあることは知っていても、それぞれの役割をしっかり理解していないという方もいるかもしれません。内気循環と外気導入では、役割や使用するタイミングが異なります。車を運転する際は、タイミングに合わせてスイッチを切り替えることを意識しておきましょう。