真っ直ぐな道なのにハンドルが取られる……その原因は?

車を運転中、「真っ直ぐな道なのにハンドルが取られてしまう」という経験をしたことがある方もいるかもしれません。ハンドルを切っていないにもかかわらずハンドルが勝手に曲がってしまう現象には、さまざまな原因が考えられます。そこで今回は、ハンドルが勝手に曲がる原因についてご紹介します。

■タイヤの空気圧が左右均等でない

真っ直ぐな道路を走っているのにハンドルが取られてしまう原因のひとつに、「タイヤの空気圧が左右で均等ではない」ことがあげられます。
タイヤの空気圧は、パンクしていない状態であっても走行するにつれて少しずつ低下していきます。タイヤの空気が抜けていく際、必ずしも左右のタイヤで等しく抜けていくわけではありません。さまざまな条件により、左右のタイヤごとに空気が抜けていくというのが一般的です。

タイヤの空気が抜けて左右で空気圧が不均衡になることで、運転中のハンドルのブレが引き起こされるようになります。運転中のハンドルのブレは、場合によっては大きな事故を引き起こすことになります。事故を未然に防ぐためにも、定期的にタイヤの空気圧を確認する必要があります。月に1~2回を目安に確認するようにしましょう。

■タイヤの偏摩耗

「タイヤの偏摩耗」も、ハンドルが勝手に切られる原因のひとつです。偏摩耗とは、トレッド面の過剰な摩擦によってタイヤの一部だけがすり減ってしまう状態を指します。タイヤの空気圧が低すぎたり高すぎたりすると、タイヤは偏摩耗を引き起こします。タイヤの面が不均衡になることで地面と接する部分も不均衡となり、ハンドルが取られやすくなってしまいます。タイヤが偏摩耗した場合は、交換することが唯一の対処法となります。

■ホイールアライメントの調整不足

タイヤの空気圧が正常で、なおかつ偏摩耗がないにもかかわらずハンドルが取られる場合は、「ホイールアライメントの調整不足」が考えられます。ホイールアライメントとは、タイヤの取り付け角度を指します。

タイヤは本来、地面に対して垂直に、そして互いに平行になるように取り付けられている必要があります。しかし走行距離が長くなるにつれて、またはタイヤの空気圧が不均衡になったり偏摩耗が生じたりすることで、タイヤの取り付け角度であるホイールアライメントに狂いが生じてしまう場合があります。ホイールアライメントに狂いが生じた場合は、専門店などに依頼して調整する必要があります。

■ブレーキトラブル

タイヤの空気圧、偏摩耗、ホイールアライメント以外の理由でハンドルが取られてしまう場合は、「ブレーキトラブル」も考えられます。ブレーキは本来、左右のタイヤを同時に制御するものですが、ブレーキオイルの劣化やブレーキシステムの故障によって、左右の制御の具合にバラつきが生じることもあります。
ブレーキの制御が左右不均衡になってしまう状態は、一般的に「片効き」と呼ばれます。片効きの状態は自然に直ることがないため、異変を感じた場合は早急に点検と修理を行う必要があります。

真っ直ぐな道であっても、さまざまな要因から生じるハンドルのブレ。大きな事故を未然に防ぐためにも、ハンドルが取られる原因を理解し、日々のメンテナンスを心掛けることが大切です。

タイヤやブレーキのメンテナンスに詳しくない場合には、定期的に専門店に相談・点検するようにしましょう。