車を持っていても、「たまにしか乗らない」という方は意外と多いもの。この場合、メンテナンスはさほどしなくても大丈夫と思われがちですが、実はそんなことはありません。そこで今回は、あまり車に乗らないゆえのトラブルと、その対策をご紹介します。
■車は動かさなくても劣化する!起こりやすいトラブル
「車のメンテナンスのサイクルは、走行距離で管理すればいい」と思っている方は多いかもしれません。例えば、「エンジンオイルや冷却水は1万キロごとに交換すればいい」「そんなに走っていないからタイヤ交換はしなくて大丈夫」といった考えを持っている方もいるかもしれません。しかし、この考えは間違いです。
車は、動かさなくてもさまざまな部分で劣化が生じてくるもの。例えば、次のようなトラブルが生じます。
●充電不足によるバッテリーの劣化
まず考えられるのが、バッテリーの劣化です。
車のバッテリーは、走行によって充電される仕組みになっています。また、エンジンを動かさずともカーナビや時計、セキュリティシステムの起動・維持といった部分で常に微量の電力を消費しています。そのため、車に乗らない期間が長かったり、乗ったとしても走行距離が短かったりすると、充電不足の状態に陥りやすくなるのです。充電不足の状態が続くと、バッテリーは急速に劣化します。いざ乗ったときにバッテリー上がりなどのトラブルにつながる可能性もあります。
- エンジンオイルの循環不足によるエンジン部分の劣化
エンジンオイルの循環不足は、エンジン部分の劣化を引き起こします。
エンジンオイルは、車のエンジンを動かす各パーツの潤滑剤の役割を果たします。長期間にわたって車を動かさず、エンジンオイルが各パーツを循環しない状態が続くと、パーツの金属同士が接触して摩耗が進んでしまいます。なお、エンジンオイルにはエンジン内を洗浄する働きもあるため、長期間にわたってエンジンオイルを循環させずにいると不純物やサビが溜まってしまうことにもなります。
- タイヤの劣化
長期間にわたって車を停めっぱなしにしていると、タイヤは同じ部分がつぶれた状態が続き、変形してしまいます。そのため、乗り心地が悪くなったりパンクを起こしやすくなったりします。
また、タイヤのゴムは走行しなくても経年劣化します。劣化が進むとタイヤ表面にひび割れが生じたり、空気圧が不安定になったりというトラブルにつながります。
このように、あまり乗らない車には「乗らないがゆえのトラブル」があるのです。こういったトラブルを防ぐためには、走行距離や運転頻度にかかわらず、定期的に点検とメンテンナンスを行うことが大切です。日頃から細かな点まで注意を払い、安全なカーライフを送りましょう。
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