・2005 AUTOBACS SUPER GT Round8 「SUZUKA GT 300km」
・開催日:2005年11月5〜6日
・天候:晴れ(5日)、雨(6日)
・観客数:17,000人(5日)/33,500人(6日)
 
第7戦のオートポリスでは見事3位表彰台を獲得したハセミモータースポーツとG'ZOX HASEMI Zですが、今回の第8戦はいよいよ今季シリーズの最終戦となりました。残念ながらタイトル争いに残ることはできませんでしたが、それでも過去2戦続いたNAエンジンに有利な高地補正もないことから、今回の鈴鹿での今季初優勝にかける長谷見昌弘監督以下チームスタッフとエリック・コマス、金石年弘両ドライバーの意気込みは並々ならぬものがありました。
そうして迎えたレースウィーク。まず走行開始となった金曜日には、午前は9時半から11時まで、午後は2時15分から赤旗中断を挟んで4時5分まで、金石選手が中心となってみっちりとセットアップを煮詰めると、午前、午後ともに6番手と言うまずまずのポジションに着け、翌日の公式予選に向け万全の体制を整えることができました。
【予選日】
好天に恵まれた土曜日。公式予選1回目は午前10時からのスタートとなりました。GT300の占有時間が終わり、10時20分にいよいよG'ZOX HASEMI Zがコースに出て行きます。アタッカーを務めるのは金石選手。セッション開始早々にピットアウトした金石選手ですが、ここではタイヤの温まりを良くするため、わざとフロントとリヤのタイヤを逆に装着しており、アウト・インですぐさまピットに戻ってきます。
ピットロード上でジャッキアップ、前後のタイヤを正規の状態に戻したG'ZOX HASEMI Zは、コクピット内の金石選手とともに、いったん待機してコースコンディションのさらなる好転と、アタックのタイミングを狙うこととなりました。
ところが、セッション半ばを過ぎたところでダンロップコーナー出口でカルソニックIMPUL Zがまさかのクラッシュに見舞われてしまい、セッションは赤旗に。
このとき、ちょうどコースインを間近に控えてはいたものの、まだピットに待機していたG'ZOX HASEMI Zは、タイヤを浪費することはなく大きな影響もないまま、約15分後の10時47分に臨むこととなりました。
残り時間は8分11秒となって再開されたセッションで、金石選手はゆっくりタイヤを温めると、まずは2分03秒694をマークして7番手に。そして続く4周目に1分54秒677を叩き出すと、一気に3番手に浮上を果たします。しかし、翌周は更新に一歩とどかず1分55秒226に終わってピットインとなりましたが、この短い時間帯にライバル勢がタイムアップを果たし、G'ZOX HASEMI Zは少しポジションを落とし、7番手に。残る混走時間帯にはコマス選手がステアリングを握ってセットアップに専念。この結果、G'ZOX HASEMI Zは午後に行なわれるスーパーラップへの出場権を獲得しました。
夕方のスーパーラップを前に残された最終調整の場となる予選2回目。この15分間のセッションは、予選1回目同様GT300クラスの時間帯に続く午後2時15分からのスタートとなりました。
スーパーラップでもアタッカーを務めることとなっている金石選手がステアリングを握り、この短いセッションを精力的に走りこむことになりましたが、ライバル勢が1分57〜58秒台で周回する中、金石選手は計測3周目に1分56秒968という好タイムをマークする好調ぶり。このタイムはそのまま破られることはなく、結局G'ZOX HASEMI Zが予選2回目のトップタイムを奪うことになり、続くスーパーラップへのいい勢いづけとなりました。
午後3時20分から開始されたGT500のスーパーラップ。午前中の予選1回目に7番手としていたG'ZOX HASEMI Zは、4番目の出走順となり、スーパーラップが始まって間もなく、コクピットにアタッカーの金石選手が納まり、出番を待ちます。
ザナヴィニスモZ、モチュールピットワークZ、RAYBRIG NSXのアタックが終わると、いよいよG'ZOX HASEMI Zの登場です。
コースインからゆっくりと2周をしてタイヤを温めた金石選手が、いよいよアタック。まずはセクター1でそれまでのトップタイムであったRAYBRIG NSXのタイムをコンマ1秒以上上回ると、続くセクター2ではさらに0.289にまでその差を拡げます。高速セクションとなるセクター3ではわずかにマージンを失ったものの、フィニッシュラインでは1分54秒914にまでタイムを伸ばし、ややアンダーステア傾向があったものの、一気にトップに躍り出ることに成功します。
しかし、残念ながらその後気温が下がっていくなど条件が良くなったこともあり、続く6台のマシンが相次いで好タイムをマークしたため、G'ZOX HASEMI Zのタイムは予選1回目と同じ7番手に。結局決勝は4列目イン側の7番グリッドからのスタートとなりました。

【決勝日】
決勝日の日曜は、あいにく天気予報も下り坂と伝えていたとおり、午前8時20分からのフリー走行もどんよりとした曇り空の下での開始となりました。わずかな降雨もあったことから、主催者はウエット宣言をしてこのセッションをスタートさせることとなりました。
ここでのG'ZOX HASEMI Zはコマス選手がステアリングを握ってコースイン。雨は霧雨程度とあって、スリックタイヤのまま走行を続けたG'ZOX HASEMI Zは、セッション半ばに金石選手に交代するなど、決勝に向けた入念なセットアップのチェックなどを行ないました。
ところが、時間が経つにつれて徐々に雨脚が強まり、正午過ぎには路面は完全なウエット状態となってしまい、主催者はコンディションの急変を考慮して、決勝前の8分間のウォームアップ走行を15分間に延長。ここでのG'ZOX HASEMI Zは、スターターを務めるコマス選手が深ミゾタイヤながらもソフト、ハードとコンパウンドの異なる2種類のレインタイヤを試し7番手とまずまずの手応えを得ると、その走行の結果、ソフトコンパウンドのレインタイヤをチョイスして決勝のグリッドに向かうこととなりました。
午後2時にフォーメイション5分前となるはずだったグリッド上ですが、降りしきる雨は弱まる様子はなく、風も強い上にストレート上にも川が流れるなど、コンディションは悪化の一途をたどります。このため、主催者はまず10分間のスタートのディレイを宣告し状況を見守りましたが、コンディションは変わらず、さらに10分間スタートがディレイとなります。グリッド上では、エンジニアを含めたスタッフが雨量に応じて車高など最後の調整に余念がありません。
しかし、数回順延が繰り返されたことから、最初はコクピット内で待機していたコマス選手も、いったんマシンを離れてピットへ。主催者はここでいったんチーム代表を集めてミーティングを開催、長谷見監督もブリーフィングルームに集まることになりましたが、ここで主催者から本来52周であったレース距離を75%の39周に減じる旨の説明が行なわれました。
この結果、レースは39周へと短縮された上、午後2時53分にようやくセーフティーカー先導でフォーメイションを開始することに。
セーフティーカー先導のまま始まった今季最終戦。コマス選手は、セーフティーカーランの間にタイヤを温め準備を整えると、セーフティーカーがコースから退いた4周終了目前の最終コーナーでの目前のTAKATA童夢NSXのスピンを辛くもかわして猛スパート。5周目を6位とすると、上位陣のピットインの間に順位を上げ、6周目には4位に躍進します。
しかし、雨量の変化か、グリッド上でのセッティング変更が裏目に出たか、選択したソフトタイヤが思うようなグリップを発揮してくれず、徐々に周囲のラップタイムが上がり始めると、コマス選手は苦しい状況に立たされることに。背後に追い上げてきたOPEN INTERFACE TOM'S SUPRA36号車との攻防に屈し、11周目に惜しくも5位に下がってしまいます。
「できればコマスのスティントを引っ張りたかったが、タイムが伸び悩んだ以上、金石に託すしかない」という長谷見監督の判断を受け、チームでは翌周コマス選手にピットインを指示。コマス選手は13周目にピットインし、金石選手にステアリングを引き継ぐこととなりました。
ソフトコンパウンドのレインタイヤでは今ひとつであったことから、金石選手のスティントにはハードコンパウンドのレインタイヤをチョイスして、チームはG'ZOX HASEMI Zをコースに送り出しましたが、金石選手も序盤はハードコンパウンドのレインタイヤでもグリップ不足を訴えて思うようなペースで走れず、苦しいドライブとなりました。
しかし、徐々に雨が小降りとなるにつれ、金石選手とG'ZOX HASEMI Zはペースアップ。16周目過ぎにクラッシュしたマシンの回収作業のため導入されたセーフティーカーランの直後に、数台のマシンがピットインしたこともあり、一時は12番手あたりにまで下がっていたポジションを徐々に回復。21周目には9位、22周目には8位、24周目には7位とポジションを上げていきます。
この結果、G'ZOX HASEMI Zはさらに31周目に6番手とすると、32周目にはカルソニックIMPUL Zのピットインで5位に。残り4周となった36周目には、ピット作業を終えたOPEN INTERFACE TOM'S SUPRA36号車をとらえて、4位にまでばん回することに。
残り3周では残念ながらそれ以上のポジションアップは果たせませんでしたが、G'ZOX HASEMI Zは雨によって波乱の展開となった最終戦を、見事表彰台目前の4位と言う好成績で締めくくることとなりました。
「今季を振り返れば、戦い方如何によっては自分たちにもチャンピオンの目は充分にあったが、ドライバーにミスもあったし、マシンにトラブルもあった。メカニックのミスがなかったことは評価に値するが、ハンディレースであるスーパーGTでタイトルを争うには、終始安定した戦いをすることが不可欠」と1年を終えた長谷見監督が語ったように、まだまだタイトルを争うには足りない部分も見えたシーズンとなりました。最終戦の結果、ドライバー部門でのランキングは8位となりましたが、長谷見監督の言葉通り第3戦から第5戦までの3戦連続でのノーポイントがなければ、充分にチャンピオンに手が届くパフォーマンスをG'ZOX HASEMI Zは持っていたといえるでしょう。
今回で2005スーパーGTシリーズの幕は降ろされましたが、お陰さまでG'ZOX HASEMI Zとハセミモータースポーツは今シーズンを通じて随所に光るレースを展開することができました。これもひとえに皆様方のご声援によるものと、深く感謝いたします。1年間のご支援、どうもありがとうございました。

長谷見昌弘監督のコメント
金曜日の走り出しからレースセッティングは上手くいっていた。ただ予選のスーパーラップはどうも上手くいかないみたいだ。レース序盤はヘビーウェットで、そのコンディションでは調子が今ひとつだった。後半雨が小降りになってからラップタイムは上がり、ポジションを上げることが出来た。レースとしては追い上げを見せることが出来て良かった。今年1年応援してくれたスポンサーの皆さんには大変感謝しています。来年に向けての活動を開始しましたので、来年も宜しくお願い致します。
金石年弘選手のコメント
今回マシンのバランスは良かったのですが、予選は今ひとつポジションが上りませんでした。決勝レースは始め雨が多い状況では車も乗りづらかったのですが、路面が乾き始めてからはマシンのバランスも良くなってきて、前を追えるようになりました。最後#36スープラが前にいたので、必ず抜いてやると思っていました。最後の最後で良いバトルが披露出来て良かったです。
エリック・コマス選手のコメント
路面は非常に滑りやすくて、すぐにアクアプランニング状態になってしまいました。セッティングもあれほどのヘビーレインに対応できるものではなかった。タイヤも別なチョイスの方が良いとチームも判断したので、早めにピットインしたんです。あれほどの雨にもかかわらずクラッシュするマシンが少なかったのに驚きました。トシも後半よく頑張ったと思います。 1シーズン一緒に戦ったチーム、ご支援くださったスポンサー、そして沢山のファンに心から感謝しています。
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