・2005 AUTOBACS SUPER GT Round6
・「FUJI GT 300km RACE」
・開催日:2005年9月24〜25日
・天候:曇のち雨(24日)、雨のち曇(25日)
・観客数:20,800人(24日)/44,800人(25日)
 
ここ数戦、いいレースを展開するものの思うような結果に恵まれていないG'ZOX HASEMI Zとハセミモータースポーツにとって、今回富士を舞台に開催されるシリーズ第6戦は、どうしても落とせないレース。NAエンジン勢に対して高地補正の優遇措置が加えられるため、ターボエンジンであるZには苦しい戦いが予想されるものの、ハンディウエイトのないG'ZOX HASEMI Zだけに、その苦境を乗り越えてなんとか上位フィニッシュを狙いたいところです。
テスト及び前回開催時のデータを踏まえてレースウィークに臨んだG'ZOX HASEMI Zとスタッフでしたが、ドライで行なわれた金曜の走行は午前の公式練習1回目には金石年弘選手のドライブで1分36秒516をマークして6番手とまずまずのスタート。続く午後の公式練習2回目に入っても好調さはキープされており、再び金石選手によって1分35秒442の好タイムが記録され、トップからコンマ5秒ほどの僅差での7番手につけることとなったG'ZOX HASEMI Zに、スタッフも翌土曜の予選に向けいい手応えを得ることができました。
【公式予選】
台風の接近が伝えられ、不安定な天候が予想された土曜の公式予選。その1回目は、早朝の雨の影響もあって予想通りのセミウエット状態でのセッション開始となりました。
まずはGT300の占有時間があり、G'ZOX HASEMI Zが出走するGT500の占有時間は午前10時40分から開始されました。前回同様、最初の1周をタイヤを温めることに使ったG'ZOX HASEMI Zは、コンディションの好転を待ち、少し待機した後金石選手のドライブで再びコースへ。
最初のコースインから数えて4周目に1分40秒560で11番手とした金石選手は、さらにアタックを続けると、5周目に1分36秒581で7番手に。続く6周目に渾身のアタックを展開した金石選手は、さらにタイムアップに成功し、1分35秒222で3番手に浮上を果たします。その後もアタックを続けた金石選手でしたが、タイム更新はならず。この後混走時間帯となって、金石選手はエリック・コマス選手にバトンタッチ。赤旗中断があったものの、チームではさらにセッティングを煮詰めるべく、コマス選手で周回を重ねることとなり、結局予選1回目、G'ZOX HASEMI Zは5番手に食い込むことに成功。午後のスーパーラップへの出走権を獲得しました。
そして迎えた午後の予選2回目。スーパーラップに先駆けて行なわれたこのセッションは15分間。短いセッションながら、この後に控えるスーパーラップに向けて、セッティングを煮詰める最後のチャンスとなります。
GT300の占有時間を終え、GT500の占有時間に突入する直前から降り始めた雨が、見る間に路面をウエットに変えて行きます。そのためチームではG'ZOX HASEMI Zにウエット寄りのセットアップを施して、金石選手を送り出すことに。ここではスーパーラップでアタッカーを務める金石選手のみがステアリングを握り、1分57秒607をマークして走行を終了。そこで得られたデータから、雨による路面のグリップ低下に対応するべく、さらにセットアップを変更していよいよスーパーラップを迎えることとなりました。
雨はほぼ上がったものの、路面には水が浮き、完全なウエットコンディションで始まったスーパーラップ。GT300の10台のアタックが終わっても、まだ路面の水が多いことから、ウエットタイヤを選択したG'ZOX HASEMI Zに金石選手が乗り込み、6番目のアタッカーとしてコースに向かいます。インラップ、2周目とタイヤを温めた金石選手は、ストレートで水しぶきを上げながら、いよいよタイム計測される3周目に突入しました。
既にアタックを終えた他車の中には、コースアウトしたマシンも出るなど、難しいコンディション下でのアタックとなったものの、金石選手は果敢に富士のコースを攻めて行きます。セクター1で22秒741、セクター2で33秒747とタイムを刻んでいくG'ZOX HASEMI Z。しかしながら、セットアップの変更が充分でなかったのか、ややアンダーステアに見舞われながらのアタックとなったため、金石選手のタイムは1分46秒724にとどまり、この時点で5番手に。結局残る4台のマシンの多くが、コンディションの好転にも助けられ、金石選手のタイムを上回り、結局G'ZOX HASEMI Zは8番手となり、残念ながら予選1回目の5番手から少しグリッドを下げることとなってしまいました。
「雨になったことで、コーナリングの速いZの特性が際立ち、ポールポジションさえ狙えるのではと手応えを感じていただけに、残念」と長谷見昌弘監督。Z勢の中では最上位を獲得したとはいえ、不満の残る結果に悔しい表情を見せた金石選手とコマス選手ともども、決勝レースでの巻き返しを誓うことに。
【決勝レース】
日曜朝、午前8時からの30分間のウォームアップでは、決勝を見据えたセットアップに時間を割き、万全の体制を整えたG'ZOX HASEMI Z。タイムもコマス選手による1分37秒337がベストで、12番手ながら決勝での好走に期待を抱かせる仕上がりとなりました。
台風の進路が逸れたことで、大幅な天候の乱れの心配がなくなった午後2時10分。アウト側の8番グリッドから、スタートを担当する金石選手のドライブするG'ZOX HASEMI Zが1周のフォーメイションを終えてスタートしました。
1コーナーに向けて、アウト側のラインからアプローチした金石選手でしたが、コーナリング中に後続のマシンにリヤを突っつかれたことで姿勢を見出し、立ち上がりの加速が鈍ったところで、再び他のマシンの接触を受けたG'ZOX HASEMI Zは、なんと1コーナー立ち上がりでコースアウトしてしまい、濡れたグリーンゾーンに乗ってスピン状態に。
すぐさまコース復帰を果たした金石選手でしたが、1周目の順位はGT500ほぼ最後尾の18位。しかし、ここから怒涛の追い上げ劇が始まったのです。
大きく後れをとったものの、上位陣を上回るハイペースでのラップを重ねた金石選手は、4周目に17位、7周目に16位、8周目に15位と、順調にポジションを挽回。その後も快進撃を続けた金石選手は快調にラップを刻み、ベストラップのトップ3台に与えられる1ポイントは魅力ながら、同時に課せられる10kgのハンディウエイトを避けるため、ピットからは再三ペースを抑えるよう指示が出されるほどです。
ついに26周目、トップ10復帰を果たしたG'ZOX HASEMI Zは、早くも始まった他陣営のピット作業を後目に、さらにポジションをアップ。27周目に7位、29周目に6位とした上で、さらに4位にまで浮上した31周目、予定通りピットインして金石選手からコマス選手へとドライバーをチェンジ。給油とタイヤ交換というピット作業もスタッフの頑張りで迅速に終えると、コマス選手は8位と上位にとどまったままレースに復帰します。
後半を任されたコマス選手も快調そのもので、33周目には7位とすると、34周目には6位に。さらに追撃の手は止まず、36周目にはARTA NSXをパスして5位に浮上したコマス選手は、39周目にイエローハットYMSスープラをもかわし、なんと表彰台目前の4位にまでジャンプアップを果たします。
その時点で、3位のエッソウルトラフロースープラとの差は20秒以上と大きく開いていましたが、コマス選手はじりじりとその差を削り取って行きます。レース終盤の58〜59周目には、この日のベストラップとなる1分36秒991、1分36秒996という好タイムをマークしたG'ZOX HASEMI Zは、ハンディウエイトをもらわぬように気を遣いながら、エッソウルトラフロースープラを追い上げていきます。
しかし、残り少なくなった周回数と、3位に入った場合の次戦でのハンディウエイト搭載を避けるという、その両方の観点から、長谷見監督以下チームスタッフはこれ以上前車を追うことを止め、4位キープに作戦を変更。そして66周を走りきったG'ZOX HASEMI Zは、コマス選手の手によってフィニッシュラインをまたぎ、波乱のスタートとなった第6戦を4位というまずまずの成績で締めくくることになったのでした。
最後尾から追い上げての4位という結果には、一定の評価をしつつも「クルマの調子が良かっただけに、スタート直後のあのアクシデントが痛かった。残念だが、金石にはより隙を見せないドライビングを心がけてもらい、次戦のオートポリス、最終戦鈴鹿での優勝を狙いたい」と、第6戦を振り返った長谷見監督。長かったシリーズも残りは2戦のみとなりましたが、次戦の舞台は再び高地補正が導入されるオートポリスながら、「Zの得意なコーナーが多く、富士よりは苦戦しないはず」と長谷見監督が語っているように、今回あえてハンディウエイトを避ける戦い方をしたハセミモータースポーツとG'ZOX HASEMI Zだけに、次戦での表彰台の頂点に期待したいところです。
ハセミモータースポーツとG'ZOX HASEMI Zにさらなるご声援をお願いいたします。
 
長谷見昌弘監督のコメント
今回は金曜のフリー走行からセッティングが上手く決まっていたので期待していた。雨の予選では良いタイムが出なかったが、ドライコンディションでは良い調子だったので、表彰台を目指した。しかし決勝レーススタート直後の1コーナーでまたしても押し出され、表彰台はその時点で消えてしまい凄く残念だ。そこからの追い上げは2人とも素晴らしく4位となったが、だからこそ最初のコースアウトが悔まれてならない。
金石年弘選手のコメント
今回マシンの調子が良く、予選でポールポジションも狙える状態でしたが、雨のスーパーラップで本調子が出せませんでした。決勝は、序盤ポジションキープ出来れば良い結果が出せると思っていましたが、#6・#22に当たってスピンしてしまいました。その後はとにかくプッシュしました。応援してくれている人たちの為にも、出来るだけ上のポジションを目指しました。なんとかスピンの分は取り戻し、エリックさんも速かったので表彰台の手前まで上り詰めることが出来ました。次はアクシデント無くし、トップチェッカーを目指します。
エリック・コマス選手のコメント
今日は4位でもとても満足しています。 1周目に最後尾まで落ちてしまったので、トシヒロも僕も2人とも決してギブアップしないでプッシュしましたから。ほぼ毎周、1分36秒8のターゲットタイムでラップしていました。今回は、他の日産勢とは異なるタイヤを履いていたこともあって、僕らが一番速かった。適切なタイヤチョイスをしてくれたチームスタッフのおかげです。
|