冬の運転前にチェックすることとは

厳しい冬の寒さは、少なからず車のコンディションに影響を与えます。大切な愛車を守るためにも、定期的なメンテンナンスや運転前の確認作業が重要となります。また、冬は意外なものにも注意する必要もあります。ここでは、そんな冬に覚えておくべき事前確認ポイントについてご紹介します。

■覚えておきたい「事前の確認ポイント」

車のコンディションは周囲の寒さによって影響を受けるため、冬は特にメンテナンスや確認作業が必要となります。確認しておくべきポイントとしては、寒さの影響を特に受けやすいバッテリーや、消耗品であるエンジンオイル、冷却液、ウィンドウォッシャー液、タイヤなどがあげられます。

・バッテリー

バッテリーは、寒さの影響を特に受けやすい部品のひとつです。バッテリーは点火プラグへ電力を供給する役割をはじめ、セルモーターの始動、エアコン・オーディオの起動・運転、パワーステアリングの補助に至るまで、さまざまな部分を駆動させるのに不可欠なパーツとなっています。そのため、寒さによって停止する危険性がないかを入念に確認することが大切です。

バッテリー内には、透明のバッテリー液が入れられています。メンテナンスの際には、このバッテリー液が周囲に散っていないかを確認しましょう。また、バッテリー本体に亀裂や変形がないかも確認する必要があります。

・エンジンオイル・冷却水・ウィンドウォッシャー液

エンジンオイルや冷却水、ウィンドウォッシャー液は消耗品であるため、メンテナンスの際には残量を確認するようにしましょう。また、エンジンオイルであれば汚れ具合を確認することも大切です。

冷却液の点検時には、残量を確認するだけでなく濃度の確認も必要となります。冷却液の濃度が薄い場合にはエンジンが凍結する危険性もあるので注意が必要です。

・タイヤ

冬は路面の凍結などもあり、夏よりもスリップの危険性が高くなる場合があります。そのため、運転前にはタイヤも入念に確認しましょう。確認する際に注意するのは、主に接地面の溝の残り具合です。溝が深ければ深いほど滑りにくくなるので、確認時に溝が浅い場合は交換する必要があります。降雪の可能性がある地域にお出かけ予定があるならば、スタッドレスタイヤに交換するというのも選択肢のひとつです。

■冬に気をつけたい、「猫の巻き込み事故」

冬の運転時に気をつけたいのは、上記の点だけではありません。冬には猫の巻き込み事故にも注意する必要があります。

駐車している車に猫が集まっているのを見かけたことがある方は多いのではないでしょうか。冬になると急増するのが、車のエンジンをかけた際にこういった猫たちを巻き込んでしまったという事故。

寒くなってくると、野良猫たちは暖を求めて駐車している車のまわりに集まります。ボンネットに乗ったり、車の下に潜り込んだり、タイヤまわりの隙間に入り込んだり。エンジンを止めたばかりの車体は暖かく、また、車の下やタイヤまわりの隙間は冷たい風をしのぐのにちょうどいいのでしょう。

なかには、エンジンルームに入り込んでしまう猫も。「ボンネットを開けていたわけでもないのになぜ?」と思うかもしれませんが、身体が柔らかい猫はエンジンルームの下にあるわずかな隙間から簡単にエンジンルームに入ることができるのです。

このように、車のまわりやエンジンルームに入り込んだ猫に気づかずにエンジンをかけてしまうと、大変な惨事に……。猫が大怪我をしたり命を落としたりするケースも少なくありません。周囲に野良猫や自由に行き来している飼い猫がいる場合は注意が必要です。

では、このような事故を防ぎ、猫たちを守るためにはどのような対策があるのでしょうか。

■ボンネットを叩くことで、車のまわりやエンジンルームに猫がいないかチェックを!

まずは、車に乗る前に車の下やタイヤの隙間に猫がいないか目視で確認を。

とはいえ、エンジンルームの中に猫が入り込んでいる場合には、外からの目視だけでは確認できません。そこで、キズがつかない程度で、ボンネットを上から何度か叩いてみましょう。大きな音がすれば、猫は警戒して自らエンジンルームから出てくる可能性が高くなります。こうしたアクションは、大手自動車メーカーでもプロジェクトとして推進されています。

また、定期的にボンネットを開けて中を確認することも大切です。猫がいるかどうかはもちろん、エンジンルーム内に猫の足跡がないか、食事の残骸がないか、猫の毛がないかなど、猫がいた形跡がないかをチェックしましょう。

冬のメンテナンス時や運転前には、エンジンや消耗品以外にも確認しておくべきポイントがあります。大切な愛車を守るためにも、ぜひ今回ご紹介した方法を実践してください。